ベリィの繁殖ページを独立するにあたって、出産から1年9ヶ月経った今の私の心情を少しだけ伝えたいと思います。
  あくまでも私個人の考えですが、こういう考え方もあるということを心にとめておいて頂けると嬉しいです。

  我が家にわんこを迎えると決めた時、私は絶対女の子がいい!
  可愛い赤ちゃんを産ませたいと思いました。そして出会ったのがベリィです。
  その当時私は繁殖について何も知らず、ただ赤ちゃんが欲しいという気持ちだけでした。
  ですから、ベリィの交配を決めたとき改めてブリーディングの大変さ、難しさというものを実感すると共に
  あまりにも簡単に繁殖のことを考えていたことを反省しました。
  カラーについてはもちろんのこと、先天的な病気や生まれてからの里親さん探し・・・。
  繁殖について書かれているHPにもたくさんおじゃましました。本もたくさん読みました。
  それでも出産はそれぞれみんな違って誰一人同じではありません。
  犬は安産と言いますが小型犬にとって出産は生死がかかわることもあります。ベリィの場合、
  3匹とも逆子で1番大きな頭が途中で引っかかってしまい、人間の手を借りなければ
  小さな命はもちろん母犬まで危険でした。幸い家の3匹の赤ちゃんは元気に誕生してきましたが
  残念ながら死産というケースもかなりあると聞きます。健康で生まれてくる子ばかりではありません。
  安易な交配で障害を持って生まれるケースもあります。母犬に関して言えば、出産という大仕事を
  終えた後も休むことなく育児をします。それはあたりまえのことなのですが、出産のダメージに加え
  育児の疲れからベリィも産後の状態が良くなるまでかなり日数がかかりました。授乳中は体重も
  激減してやせ細ったその姿は飼い主として見るに耐えない思いをしたのを覚えています。
  母犬の精神的、肉体的負担は計り知れません。でもそれは飼い主にもあてはまることかもしれませんが・・・。
  飼い主の責任としてもうひとつ大事なことは、子犬たちに新しい家族を探すことだと思います。
  我が家で生まれた子には一生幸せに暮らしてほしい・・・誰もが思うことですよね。
  できれば、生まれた家で家族揃って暮らしたいところですが、なかなかそうもいきません。
  信頼できる里親さんを探すことは子犬にとっても一生を左右する大事な事です。
  たとえ立派な血統を持っていても、飼い主の身勝手な管理で幸せとは程遠い過酷な環境で生きている犬たちが
  たくさんいることも知りました。小さくてもかけがえの無い大切な大切な命なのです。
  今、繁殖を考えている方もたくさんいると思います。現実であれば厳しいことも書きましたが
  繁殖を否定しているわけではありません。新しい命の誕生は本当に感動を与えてくれます。
  ですが、それと同時に飼い主である方にも重大な責任が生まれることをもう1度考えて欲しいと思います。
  私自身も改めてブリーディングの意味を考えていきたいと思っています。

  中には「たかが一度出産を経験したくらいで何がわかるの?」と思われるかもしれません。
  でも、一回でも充分過ぎるくらいのことをベリィは身体をはって私達家族に教えてくれました。
  この先私がこの手で子犬を取り上げることはもう無いかもしれません。でもこの日記を読むことで
  あの大変だったけど充実していた日々がよみがえるのです。長い人生の中でほんのわずかではあるけれど
  その貴重な時間をくれたベリィに感謝しています。今元気に走りまわる3匹を見て思うことは
  新しい命の誕生もとても素晴らしいことだけど、それだけが全てではありません。
  普通にあたりまえのことですが、今あるこの3つの命を一生大切に守っていくことも、
  それ以上に価値あることだと思うのです これからも3匹とともに私
自身も成長していきたいと思っています


                                 2003年3月     くらん
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